INSANE FEAST

  −2−

 

 カカシが数日里を空けるという情報を入手した。
 帰還は三日後。これを逃したら、次にこんな機会が巡って来るのはいつになるか知れない。
 任務に就くカカシが出かけるときを見計らい、イルカの部屋に結界を張り踏み込んだ。
 イルカは、ベッドから起き出すところだった。情事の跡を色濃く残したまま、気だるげに身を起こしたその姿を目にした途端、言葉にならない怒りで目の前が真っ赤になった。
 一時的に視力を奪い、見えない目を見開いているイルカから、言葉さえも奪った。さらに、印が組めないよう親指同士をチャクラを練りこんだ特殊な糸で括る。同質の、あるいはそれよりも強力なチャクラを流し込まなければ切れない、暗部仕様の特別製の糸だ。
 このときのために、裏ルートで手に入れた。カカシの前からイルカを消し去ってしまえるなら、どんなことでもできた。そう、この身を売ることさえ厭わなかった。
 突然の闖入者に身体の自由を奪われたイルカが、抵抗を諦めることなく男を蹴り上げてきた。無理な体勢から振り上げられた足を難なく捕らえ、開かせれば、その奥から白いものが溢れているのが見えた。
 たった今までこの身体を抱いていたのだろう、カカシの残滓。
 男は手を伸ばし、それを指で掬い取ってうっとりと目を細めて味わった。カカシのものだと思えば、青臭く苦いはずのそれも、この上もなく甘美に感じられた。
 もっと味わいたくて、身を硬くしているイルカの両足を抱え込み、後口に顔を埋めて直接口をつけて啜る。声にならない悲鳴を上げ、イルカが自由にならない身体を必死で捩り、逃れようとする。濁った目からは涙が溢れ出した。
 だが、男はカカシを味わい尽くしたいという欲で頭がいっぱいで、そんなイルカの様子にはまったく気づかない。否、気付いたところで止めはしなかっただろうが。

  ぴちゃ、ちゅく…じゅるっ…

 淫猥な音を響かせ、舐め、掬い取り、啜り上げる。イルカの中に、一滴たりとカカシが残っていることが許せなかった。すべてを自分が取り込んでしまいたかった。
 男は気が済むまでイルカの穴とその内部を舐ると、興奮した息を吐き出しつつ、ポーチから棒状のものとちいさなボトルを取り出した。
 カカシを想い、己を慰めるための、それ。
 ぐったりとしたイルカの足をおおきく開かせ、その間に居座ったまま、男はローションを手に取り、自ら後口を広げ出した。
 ぐちゅ、ぐちゅ、と水音がするたびに、イルカがビクビクと怯えるように身を震わせる。今自分の上で何が行われているのかが理解できず、これから自分がどうなってしまうのかという不安に襲われているのだろう。
 自らの手で準備を進めながら、男は目を閉じてもう片方の手に握ったそれに舌を這わせ、口内にまで含んで濡らしていく。はあはあと荒くなっていく息、その合間に熱に浮かされたようにカカシの名を呼ぶ。彼の中では、無機質なその道具がカカシの分身そのものだった。カカシの性器を愛しているのだという気持ちで、それを愛しげに舐めしゃぶる。
 やがて、充分に解れたと見ると、イルカの上で自身の入り口に濡らした道具の先端を宛がい、一気に奥まで突き入れた。
「ああーっ! すごいっ……カカシさぁん」
 目を閉じたまま、カカシに抱かれる己の姿を脳裏に浮かべながら、激しく抜き差しを始める。そうしながら、既にしっかりと勃ち上がった欲を、空いている手で扱きあげる。
「は、ああっ、カカシさんっ、もっと……っ!」
 抽挿を繰り返し、同時に扱きたてて、男に限界が近づく。ふと、男が瞼を開け、自分の下で全身を強張らせているイルカを見下ろした。
 虚ろな目に怯えを滲ませ、両足を広げられたあられもない姿で閉じることもかなわず、ただ身を竦ませている。
 男は不意に思いついた様子で、ベッドの脇にぽつんと忘れられていた枕を手繰り寄せた。イルカの腰の下に入れ、膝を立てさせて下肢を浮かせる。
 浮いた尻の狭間でわずかに口を開けたままひくつくその孔に、男は昂ぶり先端からしとどに蜜を零している己自身を、徐に突き立てた。

「う゛あ゛……っ!? あ゛ぁ――ッッ!」

 イルカは言葉にならない声で絶叫し、見えない目がいっぱいに瞠られる。
 男はイルカを犯したまま、自身の後ろをなお激しく攻め立てた。
「あう、あっ、はあっ、カカシさっ……ダメ、イくぅ……っ!」
 夢を見るようにうっとりと微笑さえ浮かべ、やがて男はイルカの中で果てた。イルカの身体に触れているのは、強引に押し込んだ性器だけ。男はただ、吐き出すためだけの入れ物のように、イルカを扱った。
 すべてを注ぎ込まれ、イルカはただ呆然として見開かれた目から涙を零す。身体だけが、その衝撃にビクビクと跳ね上がった。

 

 

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三話目だけど、『2』です。つか、短っ!
もいっちょ『彼』の話。で、裏(死…)
この話も、裏用に考えた話なので、この後しばらく裏です。
今回で既にかなり引いてる人がいる気がしますが(苦)、
イルカ先生が(カカシ先生以外に)虐められるの見たくない方は、
くれぐれも読まれませんよう…!(←今更すぎ)
またも間が空いてすみません、ホント。
でも前ほどひどくないからいいよね!(よくねえよ)
つか、これいつどうやって終わる気だろ、私…。
'06.10.16up


 

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