優雅な生活

後編




 八戒の手が、乱された着物を更に肌蹴させていく。時折、態と指先を肌に触れさせ、三蔵が息を飲む反応を楽しむ。
 帯はそのままで袖を抜き取り、上半身だけを剥き出しにしてしまうと、いきなり鎖骨の辺りに歯を立てた。
「おいっ……、ハンパなこと、してんじゃねぇっ」
 微かに走った痛みに顔を顰めつつ、三蔵が八戒の髪を引っ張って抗議する。
 八戒は構わず唇を滑らせていき、左胸の先端を捕えた。硬く尖ってきたそれを含み込んで甘噛みし、何度も舌で舐め上げる。
 大袈裟に跳ね上がる身体を押さえ込んで、執拗に片方だけを弄る。
「八戒っ、いいかげん、に……っ」
 凄みをきかせたつもりの声は中途で甘く掠れた喘ぎに変わり、三蔵は悔しげに唇を噛んだ。
 気が済むまでそれを続けた八戒が顔を上げると、濡れた瞳で睨みつけてくる三蔵と目が合った。重ねた身体が、三蔵の今の状態を八戒に教える。
 満足げな笑みを浮かべた八戒は、三蔵の大腿に手を掛け大きく開かせると、そこに顔を埋めた。僅かに反応して勃ち上がりかけているそれの根元から先端にかけて舐め上げ、そのまま口腔深くへと導く。
「っん……あ……っ」
 零れ落ちた声の甘さに、三蔵はシーツを掴んでいた手で己の口を塞ぐ。
 前への愛撫を続けながら、八戒の指がその奥の入り口をゆっくりと辿る。指先を潜り込ませると、三蔵の身体がビクリと震え、掠れた悲鳴が漏れた。
「ひ、ぁ……っ」
 抵抗を押し切り、根元までを埋め込むと、固い内部を解すように指を蠢かせる。そうして一本目が馴染んだ頃、もう一本を追加する。
「……っか、い……はっかい……っ」
 前後を同時に弄られ、上昇し続ける熱に耐えかねて、三蔵が救いを求めるように八戒の名を呼ぶ。
「このまま、一度イっても良いですよ」
 一旦口を離してそう促す八戒に、三蔵は首を横に振った。
「もういい、から。はやく、しやがれっ……」
「……はいはい」
 大上段のおねだりに、八戒はそれでも微笑むと、身体をずらして下肢を重ねる。そして既に充分熱くなっていた自身を入り口へ宛がった。
「いきますよ、三蔵……?」
「……ん、っ……!」
 一息に貫かれ、痛みよりも圧迫感に三蔵が息を詰める。落ち着く間もなく動き出した八戒に、だが慣らされた身体はすぐに応え、快楽を追い始めた。
 手を延ばし、八戒の首に腕を回してしがみつく。
「あ、あっ……はっ…かい、や、あぁっ……」
 三蔵の弱点を知り尽くしている八戒の動きは的確で、確実にそのポイントを突いてくる。先程達していなかった所為もあって、あまり持ちそうになかった。
 三蔵の限界に合わせ、八戒もまた絶頂を共にしようと動きを早めていく。そして。
「三蔵……っ」
「あぁぁっ……!」
 最奥を突き上げられ、三蔵が絶頂を迎える。達した三蔵の締め付けに、八戒もほぼ同時に三蔵の中に熱を迸らせていた。




「……貴方とこうしているために、僕は頑張ってるんですよ?」
 そのまま気絶同然に眠りに落ちた三蔵の後始末を済ませると、八戒はその額に軽くキスを落として微笑んだ。
「どんなに疲れても、辛くても……貴方に触れていたい。それだけなんです」
 だから、三蔵に触れることができないのなら、その意味もなくなるのだと。
 薄く開かれた唇に、そっと触れるだけの口付けをして。
「……判ってるんですか? 僕がどんなに……」


 ――貴方のことを、愛しているか――


 密やかな囁きは、ただ夜の闇に吸い込まれて――――






ヌルイですかね…?(^_^;)
最近、実はエロ書いてないんですよ。
この時もかなり久々って感じで、感覚が(苦笑)
あー、まぁ桃木のエロなんてこんな感じじゃないかな。
これなんか、ノーマルえっちだしねぇ(爆)






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