別にね。
 俺だって好き好んで泣かせたいワケじゃないよ?
 何て言うかなぁ、そう。

 オトコゴコロはフクザツなのよ、判る?

 

 月曜日にはバラを

 

 止めて下さい、と泣いた。
 どうしてこんなことするんですか、と責めた。
 どうして?
 なーんで判んないかなぁ、アナタだって男でしょ。
 てゆーか、俺という恋人がいながらそこらの奴に愛想振り撒いてるアンタが悪いんです。

「イルカ先生、今日受付所で何人に笑いかけました?」
「……っなの、しらな……ッ」
「俺がいる間だけで、5人。ヒドイよね、俺の目の前でも平気でアンタ、他の男にニコニコしちゃってさ」
 縄が食い込む手首を引き寄せて、擦り切れて赤くなったアトにキス。少しだけ、血の味がする。

 ねえ、愛してるんです。
 アナタの過去さえ許せないと思う程に。
 でもさすがに終わっちゃったことはどうしようもないから、現在のことだけで我慢してんですよ?
 今、これから先でいいんです。簡単なことでしょ。
 アナタの目に、俺だけを映してよ。

 

「……ッカシ、先せ……っ」
 俺の名を呼ぶ声が、掠れてる。やらしいね。すごく、キモチよさそう。何か、罰になんなかったかな?

「ね、イルカ先生。俺だけって言って下さい」
「ァ……あ……っ」
「言って。ね。そしたら許してあげます。早くイキたいでしょ?」

 とっくに拘束はなくなってるのに、イルカ先生の腕はシーツに落ちたまま。
 つまんないよ、センセ。
 素直じゃないね、ツライくせにさ。
 しがみついて、おねだりしてくれたら、すぐにヨくしてあげるのに。
 アナタは俺の扱いを知らなさ過ぎです。
 結構、単純なんですヨ、俺って男は。ま、アナタに関してだけ、ですけどね。

「……ひ、っく……」
 イキたがってるモノの根元をきつく握りこんだまま、一際強く突いて奥に精を吐き出せば、堪えきれないと言うようにボロボロと涙が零れる。
 ああ、もう、泣かないで下さいよ。
 そんなカワイイカオ見せられたら、……ホラ、また元気になっちゃったじゃない。
 ツライなら言いなさいよ。カンタンでしょう?
 たった一言。
 それで、楽になれるんですよ?
 ねぇ、ホラ。俺だけって、言ってよ。

 

 

「…………です…………」

 

 ほとんど声になっていない声が、可哀想なくらい震えている唇から漏れた。
 ゆるゆると持ち上げられた両腕が、俺の背に回される。爪を立てられる痛みに、ふと動きを止めて彼を見下ろす。
 このひとがアトを残すのは、とても珍しいことだったから――――

 

 

「好き、です……カカシ、先せ……っ」

 

 

 

 ズルイなぁ、イルカ先生。
 それって、俺が欲しがったコトバじゃないでしょ。

 でも。

 

 そのヒビキが気に入ったから、今日はこれで許してあげます。

 

 

 今日は、ね。

 

end.

 

 



…ちょっと落ち着こう、桃木さん。
初カカイルSSが、これですか…(死)
てゆーか初っ端からエロってのはどーなのよ。
独占欲の塊、カカシ先生。塊という字は魂と言う字に似てる(関係ねえ)
てゆーか、散文も良いとこ。
タイトルの意味も判りませんね(桃木の愛する某アーティストの曲から頂いたんですが)
今度書く時は、もっと軽い、甘いのにしよう…
(ま!予定は未定と申しますがね/笑)
'03.03.16up


 

 

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