たべちゃいたい。
〜3〜



 無駄だと承知で、俺はソレを手にしたナミから逃げようとした。が、当然のように、コックに抱き止められてしまう。
 ナミはしげしげとソレを眺め、
「私、これは初めて見るわ。でも意外。サンジ君て、こーゆーの使うんだ」
「あ、いや。ソレはナミさん用。そのうち要るようになるんじゃないかなーと思って、前の島で買っといたんだ」
「ふうん。用意いいわね。ありがと、サンジ君」
「どういたしましてェ〜♥♥」
 普段と変わらないアホ声が、こんなに恐ろしいと感じるなんて、思ってもみなかった。
 ナミが、スカートを穿いたまま、中の下着を脱ぎ捨てる。ソレが、ミニのスカートの中に潜り込んでいくのから、俺は目を逸らせずにいた。
「……ン、」
 ちいさく声が漏れて、目の前ででかい胸が揺れる。まるで自慰をしているみたいなのに、そうではないと判って、そのいやらしい光景にも性的な興奮を覚えるどころではない。
「……ゾロ……」
 息を弾ませたナミが、スカートから覗くソレを手で支えつつ、俺に近づいてくる。先端が、散々弄られ解されたそこに押し付けられる。
 ヒ、と情けなく震える声が漏れるのを、止められなかった。
「イヤ、っだ……頼む、ナミっ……!」
「暴れんなよ。俺のより、全然細いぜ? 痛くねェって……」
 コックが宥めるように肩を撫でてそう囁くが、そんな問題じゃない。
 ぐう、とナカに入ってくる無機物に、恥も外聞もなく泣き叫んでしまいたかった。ほんのわずかに残っていた、男としての矜持が、粉々に打ち砕かれたのを感じた。
 女から生えた模造性器に、犯される。
 それは、想像もできなかったほどの衝撃だった。
 涙で目の前が霞む。引き攣るような嗚咽が漏れるたび、食い込んでいるモノを締め付けてしまって、また抑えきれない声が漏れる。
 ナミが腰を揺らす。感じ入った声を上げながら、ゆっくりとした動きで俺を突き上げてくる。
 頭の芯が、ジンと痺れた。
「あぁ……ゾロっ、イイ……っ!」
「いやだ、やだ、やめてくれ、許して……ッ!」
 屈辱的な行為にも快感を拾ってしまう、慣れた身体が疎ましい。押さえ込まれて、何一つ自分の自由にならない四肢が、もどかしい。
 許してくれ。
 もう。
 もう、嫌だ!
 不意に、背後のコックが動いた。限界まで広げられた俺の下肢を持ち上げ、膝を割り入れてくる。
 尾てい骨の辺りに当たる、熱い塊。
「……っ、ア……?」
 ぼんやりと焦点の合わない目を後ろに向けると、興奮しきった雄の顔をしたコックが、ごくりと喉を鳴らした。ずいぶんと余裕のない表情だった。
「悪ィ、ナミさん。次の、俺の番の時混ぜてあげるから、俺も挿れさせて……っ」
「っ、しょうがない、わねェ。ホラ」
 ナミはニッと笑い、少し腰を引いた。ずるり、と張り型が半ばまで抜ける。
 わずかにできた隙間をコックの指が広げ、濡れて張りつめたものをそこに潜り込ませてくる。無理に押し開かされたそこが、ぶつりと音を立てたのを聞いた気がした。
 痛みよりも先に襲ってきたのは、灼け付くような熱。
「――――っヒぁ…あっ!!」
 二本の棒が、ほぼ同時に奥までを貫いた。
 ぬるりとした感触に、そこが切れて血を流しているのだと知る。だが、狂いそうな熱さの前にはどうでもいいことだった。
「ゾロ……っ」
「すげェ、きもちい……ゾロっ」
「ぃあああっ!」
 徐に突き上げが始まり、俺は堪らず悲鳴を上げた。痛みの所為だと思いたいのに、そうではないのだと他ならぬ己の身体が証明していた。
 触れられてもいない俺のものは、放置されたままだというのに、だらだらと先端から濁った汁を溢れさせて悦んでいたのだ。
 身体ばかりが快楽に溺れ、心が完全に置き去り状態だった。
 正面から、ナミが俺の胸にキスを。
 後ろからコックが、俺を抱き締める。
「好きよ、好きよ、ゾロっ……」
「好きだゾロっ、好きだっ」
 クソっ、ンな切ねェような声出すんじゃねェよ。俺まで変な気持ちになるじゃねェか……!
「あっ、ぅあ…あぁあっっ」
 止めようもなかった。
 ナミのTシャツの胸元に、白い飛沫がまともにかかってしまう。
 それに合わせたように、ナミの身体が震え、内部深くにコックが欲望の証を吐き出す。最奥にぶちまけられたそれに、吐息が震えた。

「……ゾロ……」

 二人が名を呼び、俺をそっと抱き締めてくる。
 俺はひどい脱力感と倦怠感の中、終わったのだ、とだけ思い、わけもなく安堵していた。
 そうして、ふっと意識が遠退くのを感じると、その感覚に抗わず身を任せたのだった。

 

 

 

 

      ――――NEXT

 



二輪挿し。
上のお口と下のお口と同時に、よりも私はこっちが好きだなー(キチク)
…でも、やってる内容の割に、大してエロくないですね?(訊くな)
何となく、あっさりさっぱりな感じ。
ま、私の感覚も多少ズレてるみたいだからどうかなァ。
それより、昨日は表紙をやってたんですが、ヘボソフトの所為で、
二時間強の作業が白紙に返ってしまい、呆然としています…。
アナログでやったほうが早かった気がするのが、切ない。
一色刷りをデータで入れるの、初めてなんです…。大丈夫かな…。
ちなみにこのお話は、あと短く2話で終わります。
'08.03.31up


 

 

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