Strawberry Sex |
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部活が終わって、別々に部室を出た俺たちは、いつもどおり門のところで待ち合わせていた。 べつに、堂々と一緒に帰ったって良さそーなモンなんだけど、手塚が嫌がるから。 嫌がるってより、照れてる……のかにゃ? ま、そんにゃワケで、俺は正門の前で不二と別れて、今、手塚を待ってるんだケド。 ―――――――遅いにゃ〜手塚。センセとの話、そんなに長引くよーなモンだったのか? 帰れって言われなかったから待ってるケド、もしかして先に帰ったほーが良かったのかも。俺のこと待たせてたって思って、手塚が申し訳なさそーなカオすんの、見たくにゃいし。でも、やっぱり一緒に帰りたいし。 どーしよっかにゃ〜、とか思いながらうーんっと伸びをしてたら、大石が来た。 あれれ、手塚は? 一緒じゃにゃいの?? 「英二。また手塚を待ってるのか?」 お疲れ〜、と声をかけた俺に、ちょっと呆れたみたいに笑いながら大石が言う。 ゔ……。にゃんだよぅ〜待ってちゃダメなのかっ? ぶぅっとほっぺた膨らませて見せたら、よしよしって頭撫でられた。いつもながら、絶妙なタイミングだ。これ以上怒れないじゃん。ちぇっ。 大石と、それから不二は、俺と手塚がいわゆる"オツキアイ"をしてるのを、知ってる。不二のバアイはちょっとしたことで感づかれて、ムリヤリ吐かされたんだけど、大石が気づくのはしょーがないことなんだよね。 ホラ、俺たちダブルスのパートナーだし、それに大石は手塚の幼馴染みで帰る方向がずっと一緒だから、それまではずっと二人で帰ってたのに、わざわざ別の人と帰るって言い出したら、そりゃ何かあるって思うでしょ、フツー。 でも手塚は気づかれたくないみたいだから、大石は気づいてないフリをしてあげてる。いー奴だよね。 「教室に忘れ物したって、部室の前で別れたから、もうすぐ来ると思うよ」 「そっか。ありがと、大石っ♥」 大石に手を振って、門に凭れて更に待つこと2分。 やっと待ち人がやって来た。 嬉しくって、手塚がこっちに来るのを待ってられなくって、俺は手塚に向かってダッシュした。ぶつかるくらいの勢いで走ってきた俺を、手塚がビックリして見てる。 「………菊丸……先に帰らなかったのか」 ……………酷っ!! 手塚のあんまりなコトバにむぅっと膨れて見せると、手塚は困ったようなカオをした。それで、俺は気づいた。 えっと……つまり、今の手塚のセリフのイミは、「待っててくれてウレシイ」ってコト、だね? 俺はコロッと機嫌を良くして、手塚の隣に回った。そのまま二人で並んで門を出る。 一緒に帰る、って言ったって、家の方向は違うから、二人で歩けるのはバス停までのほんのちょっとの距離だけだ。でもそんなちょっとの間でも、俺たちにとっては二人きりでいられる貴重な時間。 「ね、手塚。明後日は部活も休みにゃんだよね? 明日、泊まりに行って良い?」 しばらく黙ったまんまで歩いてたけど、俺はバス停が見えてきたところでやっとそう言った。お強請り口調で、横を歩いてる手塚を上目遣いに見ると、手塚は途端に固まってしまった。足がぴたりと止まる。 二週間ぶりのお泊まりが、どーゆーコトを意味してるのか、ちゃんと判ってくれたみたい。手塚ってば、耳まで赤いよ? いつまで経ってもこーゆーコトに慣れない手塚の反応を、可愛いにゃ〜、にゃんて思ってじっと見てたら、手塚がポソッと小さい声で言ったコトバを聞き逃しそうになってしまった。 「…………わかった」 ホンっトに小さ〜〜い声で、ひとこと。だけど。 よし、お許しがでたゾっと。心の中でこっそりガッツポーズ。でも表では無邪気なフリして、ついでにどさくさ紛れに手塚の右腕にぺとっと引っ付いた。 「手塚ぁ、大好き♥」 楽しみだにゃ〜とか言いながら、焦った手塚に振り解かれる前にさり気なく離れて、また隣り合って歩き出す。 手塚がちょっと緊張してるみたいなのが可笑しくて、可愛い。 俺たちはバス停のとこで、いつもどおりに別れた。 そんで、次の日。 お泊まりセットを学校に持ってきてた俺は、部活の後そのまんま一緒に手塚ん家に行くことにした。 手塚ん家にはもう何回も泊まりに来てるので、俺は手塚のお母さんと結構仲良しになってたりする。手塚のお母さんは、手塚に似た、キレイで可愛い感じのひとだ。 手塚は滅多に見せてくれないフワフワした笑顔で、「いらっしゃい、ゆっくりしていってね」にゃんて言われちゃうと、その息子に何ちゅーコトしてんだかって思って、ゴメンナサイって謝りたくなっちゃうんだけどね。 晩ごはんをごちそうになって、お風呂も借りて。 手塚の部屋に入って二人きりになると、ドアが閉まりきる前に俺はちょっとだけ背伸びして手塚にキスした。一瞬ビックリして固まっちゃったけど、すぐに手塚の手が背中に回ってきて、俺は胸の中がぽわんと温かくなるのを感じた。 えっちもだけど、ちゅーも二週間ぶり。ハッキリ言って、我慢もとっくに限界超えてマス。 もし手塚からのお許しがもらえなかったら、強行手段に出なきゃなんないとこだったんだよね。でもムリヤリはやっぱしたくないから、ホント良かったよ、うん。 俺はキスしながら身体の向きを変えて、足に力が入んなくなってる手塚をベッドの上に押し倒した。 着たばっかなのに申し訳にゃいとは思ったケド、手塚のパジャマのボタンを手早く外していく。お風呂上りでイイ匂いのする手塚を前にして、慌てるなってほうがムリ。 「き、きくまる……っ」 「英二、て呼んでよ」 広げた胸に吸いつきながらズボンに手をかけると、焦った声で名前を呼ばれるから、甘えるみたいに囁いたら、手塚はふるふると小さく首を横に振った。 夢中になってるときには無意識にだろうけど呼んでくれるんだケド。正気のときは恥ずかしいらしくて絶対に呼んでくれない。俺たち、恋人同士にゃんだから、こーやって二人きりでいるときくらい下の名前で呼んでくれればいいのにね。 そーゆー恥ずかしがりやな手塚もスキだから、しょーがない。 しょーがないけど、でもやっぱり。 「………じゃあ、お仕置き★」 とびっきり恥ずかしーコト、してあげる。 俺はにっこり笑ってそう言うと、手塚の抵抗をムシしてさっさとズボンをパンツごと脱がせてしまった。 真っ赤なカオで、泣きそうになりながら俺を睨んでくる手塚に、一応ちゃんとフォローを入れるのは忘れない。 「スキだよ」 可愛いピンク色の乳首を指でくりくり転がしながら、伸び上がってキスをする、その合間に囁く。 あ…にゃんて思わずってカンジで漏れた声は、小さかったけどすごく色っぽくて。慌てて自分の口を両手で塞ぐしぐさも、すっごく可愛くて。 そぅっと手を外させて、そのまま指を絡ませる。ピクっと震えて解こうとするのを、きゅっと握り込んで。でももう片方の手ではイタズラを止めないまま。 「ね、手塚。今日はずっと、こーやって手つないでよっか」 ほっぺや鼻の頭、おでこ…と顔じゅうに唇で触れながら言った。 ああ、我ながら甘い! これじゃお仕置きになんないじゃん。 でも、ちょっぴりホッとしたよーに手塚のカラダから力が抜けたのが判るから。 久し振りだし、お互いにキモチよくなりたいしね。 今日はいっぱいいっぱいキスして、手塚をうんと悦くさせてあげるから。 手塚も……俺のこと、幸せにして? キミの甘いコエで、ずっと俺のナマエを呼んでいて?
ぎやあぁあ!!/// |