近づく距離とココロ



 伊助が、乱太郎たちとお使いに出かけて。
 庄左ヱ門の部屋で、久しぶりにふたりきり。
 何となくイイ雰囲気になって、唇を寄せたら思い切り拒否された。
 曰く。

「ぼくたちはまだ子供なんだから、こんなこと早すぎるよ」

 真面目で優等生な、学級委員の庄左ヱ門。
 お固くて、融通が利かなくて、いつも冷静。
 そうゆうとこが好きなんだけど。
 くちづけぐらい、させてくれたっていいのに…と。
 不機嫌になったのが伝わったのか、庄左ヱ門が上目遣いにぼくを見る。
 かわいい。

「団蔵? 怒った?」
「怒ってないけど。……庄ちゃんはホントいっつも冷静だよねー」
「……そんなこと、ないよ」

 少しくらい、流されてくれたっていいのに。
 そう、言ったら。
 困ったような顔をして、庄左ヱ門が首を傾げる。
 あれ。
 何だか距離が近い……?
 ぼくが密かに驚いてる、間に。
 庄左ヱ門の顔がどんどん近づいてきて。

 ほっぺたに、やわらかいものが。


「……ぼくたちはまだ子供なんだから。今はこれくらいでいいだろう?」

 真っ赤な顔の庄左ヱ門が、言う。
 きっとそれよりも真っ赤になって、ぼくは何度も頷いた。
 つまり、とりあえず、ほっぺにちゅうは解禁ってこと?

「大好き、庄ちゃんv」
「ぼくも、好きだよ。団蔵」

 嬉しくってぎゅっと抱き締めたら、庄左ヱ門もそう応えてくれた。
 ちょっとずつ、ちょっとずつ。
 こうやって庄左ヱ門に近づいていけたらいいな。



THANKS!

 

 



長いこと置きっぱになってたWeb拍手お礼SSSその3。
今回はそれほど放置せずに済んだかな?(苦笑)
かわうい、お子ちゃまの恋。
伊助ちゃんを絡めた三角関係も大好物ですが、そうすると
ニブニブ庄ちゃんを巡って片想いな若旦那&伊助ちゃんになっちゃうので。
初ちゅーは多分三年生になってからくらい。
'06.09.25up


 

 

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