生意気な恋人



「切原さんて、立海のひとたちにすごい可愛がられてるよね」
「ああ? ンなことねーだろ。真田さんとか、俺、よく怒られてっしよー」

 何言い出したやらこのチビは…と思いつつ答える俺に、越前はむっつりとして。

「赤也ー、とか呼んじゃって。何かやたら仲いいし」
「……ンだよ、イキナリ。そんなん言い出して」
「べっつに! ……アンタのこと甘やかすのは俺だけでいいのにって思っただけっスよ」

 ぷい、と顔を背けるオコサマに、俺は「甘やかすぅ?」とわざとらしく大声で聞き返してやった。
 どっちかっつーと、俺のがコイツを甘やかしてんじゃねーか?
 今日だって、疲れてるからパスっつったのに「どーしても会いたい」とかワガママぶっこいてきやがったのはコイツだし。
 明日は朝練早出だからっつってんのに「シタイ」とか言って押し倒してきて、あげく三回もヤりやがったのもコイツだ。
 コイツに拗ねたカオされっと、どーゆーわけだか断りきれねくなんだよなー。
 ………惚れた弱みだとは、あんま考えたくねえけど。

 俺の言いたいことが通じたのか、越前はチラッとこっちを見てきて、「じゃあソレでいい」って呟いた。
 ソレでいいって、ソレって何だ??
 きょとんとしてたら、イキナリがばっと抱きつかれて、俺はまたベッドの上で転がっちまった。
 あにすんだよ!っと抗議してやろうしたら、ものすっごい嬉しそうな顔した越前がアップで迫ってきてて、思わず声を飲み込んじまう。

「しょーがないから、アンタのこと甘やかすのは俺だけじゃなくてもいいことにする。けどその代わり、アンタが甘やかすのは俺だけにしてよね」

 キレーなカオで笑いかけられて、ボーっとしてたらキスされた。
 これ以上はヤんねーぞ、と釘を刺してやりながらも、やっぱコイツのちゅーキモチイイや、なんて思ってしまって。

「大好き、切原さん」
「〜〜〜っ、俺もだよッ」

 照れくさくて、怒鳴るみたいに言ってやったら、越前はまた嬉しそうに笑って、もういちどやさしくキスしてくれた。



THANKS!

 

 



長いこと置きっぱになってたWeb拍手お礼SSSその2。
これまた仕舞いっぱに(以下略)
リョ赤です。タイトルは急遽つけました。
王子総攻派なんで、こんなんもアリアリです(笑)
赤也かわいー、赤也かわいーってすっごい言ってた頃です。
年下でワガママで生意気な彼氏って、イイよね!(は?)
'06.06.12up


 

 

※ウィンドウを閉じてお戻りください。※