LOVELY BABY
〜3〜



 ヤベェよな。ヤベェよ。犯罪じゃん、カンペキに。
 頭の中では理性がしきりに警鐘を鳴らしてくる。けど、キスだけで顔を真っ赤にしてるお子ちゃまを見てたら、ムラムラしてきて。
 初モノ好みなんて、自分でも初めて知った。戸惑い恥らう姿に燃えるなんて、けっこーオッサン趣味じゃねェ?
 じっくりと甘い唇を堪能してから、息を継ごうとしたのか開かれた口内に舌を捻じ込む。ビクッと大袈裟に身体が跳ね、目が見開かれる。何か言いたげにもごっと唇が動いたけど、舌の表面を舌先で撫でてやったら大人しくなった。
 うっわ、ヤベェ。――――超楽しい。
 オッサン趣味上等。やっぱセックスは楽しめねェとな。

「んっ、う――」

 震える指で襦袢の袖にしがみついてた手が、俺の背中にまわり、平手でバシバシ叩いてくる。力の入っていないそれは大して痛くもなかったが、仕方なく訴えを聞いて解放してやる。
 くちづけを解いた途端、ガキんちょは思いっきり顔を背けて「ぶはっ」とおおきく息をし、ゲホゲホと噎せた。さすが初心者、息を止めるなんつーお約束をやらかしていたらしい。
「お前、ちゅーもしたことねェのかよ。だっせェな」
 からかい半分呆れ半分に言ってやると、涙目がきっと睨みつけてきた。だから――そーゆー目がヤバいんだって。
「女の子と――いや、男でも。付き合ったことねェの?」
 絶対にないだろうと思いつつ問えば、悔しそうに唇を噛んでうつむいてしまう。
 見栄を張ることも知らねェ、まっすぐな奴。

「……だってっ……あんたが初めてなんだ。好きだって思ったの」

 だんまりのままかと思えば、このセリフ。嘘もつけない、黙秘もできない。小狡い俺とは正反対だね、全く。
「じゃ――俺になら、何されても平気だよな?」
 我ながら人でなしなことを言って、ひょいと重心を傾ける。力が抜けてしまっている不安定な身体は、あっさり後ろへ倒れた。奴の背後には、ダブルサイズの布団。ばふっと柔らかいその上へ転がったガキは、瞠った目に動揺を走らせた。こくん、と喉を鳴らす微かな音が聞こえる。
 俺はいつも、伸ばした前髪を垂らして左目を隠している。特に意味はなくそうしているのだが、ミステリアスだとか言う奴もたまにいる。そんな評価はどうでもいいけど。
 その、逆側。曝してある右目だけで、にいっと笑った。ミズキ始め、客からエロいと評される笑い方だ。ガキには覿面で、耳まで一気に茹で上がってしまった。
「俺、高校ブレザーだったのよ。ネクタイは解けるけど、学ランのボタンて外したことない。ゾロ、自分で開けて?」
「……っあ……」
 耳元に唇をつけて囁きかけると、ピクンと肩が揺れる。
 潤む瞳が、縋るように俺を見上げる。密着させた下半身が、正直な反応を見せる。窮屈そうなズボンを緩めてやりたい気もするけど、自分でやらせるほうが楽しそうだ。
 にっこりと笑って促す俺に、泣きそうな顔をして目を泳がせたガキは、冗談みてェに震える指で首元を開け、じれったいほどゆっくりとボタンを外し始めた。
 喉が干上がる。
 こんな興奮するの、どれだけぶりだろう。初体験のときだって、もう少しくらい余裕があった。いますぐ突っ込みたいなんて、それこそ冗談みてェだ。
 中に着ていた白いシャツは汗で湿って、肌の色が透けていた。俺の視線に煽られたのか、奴の呼吸はすでに荒い。徐々に開かれていく胸元を指で辿ると、濡れたシャツ越しにいかにも処女くさい淡い色の乳首がぷつんと尖るのが判った。
「服、脱ぐだけで感じてんの。やらしいな、ゾロ……」
 ピンッと爪先で弾いた途端、聞いたこともないような可愛い声が上がった。
 感度は最高、鳴き声もクルし。こいつ、ネコってかMの素質あるな。マジでエロい。ゾクゾクする。
 ようやくボタンを外し終えたガキは、手のやり場に困って、学ランの裾をぎゅっと握った。心許なげな仕種に、ついもっといじめたくなる。
「じゃあ次。シャツめくって、オッパイ見せて?」
「っ!」
 卑猥な言葉に驚いたのか、びくついたガキは、上着の前を逆に閉じようとした。
 その手を、ぺちっと叩く。
「ちゃんと前、開けろって。シャツべとべとにしてほしいんなら、そのままで構わねェけどよ」
 白シャツだから、しっかり透けてるし。このまま舐めてしゃぶってベタベタにするんでも、俺的には何も問題はない。
「その代わり……ズボンとパンツ、自分で脱いで。それともそっちも穿いたままぐちょぐちょにされたい……?」
「や、……んなっ、へんなこと言うな……っ」
「あ。チンコ硬くなったぜ。ガキのくせに、エロイこと言われんの好きなんだ?」
「……っっ!」
 今にも零れ落ちそうに涙を湛えた緑の瞳は、もう睨む力もなく、被虐的でS心をくすぐる。  あァ――マジで楽しすぎる。
 甚振っているつもりが、だんだんこっちが焦らされてるような気になる。俺はズボン越しの奴のそこへ自分のを擦りつけた。
「あっ」
 ビクビクッと、一瞬イっちまったのかと思うほど身を強張らせた奴が、俺の襦袢の袷を掴んできた。
「……なァ、イイの? 俺のとお前のとで、外も中もぐちゃぐちゃのドロドロになっちまうぜ――」
「あッ、や……」
 ぐいぐいと腰を押し付けると、力強く押し返してくるそれ。
 下着はともかく、ズボンが汚れたら、帰れなくなンのはお前だぜ。
 ガキはとうとう涙を溢れさせて、俺を真っ赤な顔で見つめてきた。震える唇が、何かを言う。聞き取りづらくて、ん? と聞き返すと、「なまえ」と呂律の怪しい答え。
「……あんたの、なまえっ」
「名前?」
 シャンクスの奴、教えてねェのかよ。普通、客を案内する前に確認で商品の名前くらい言うだろ。職務怠慢だ。いつもだけど。
 必死な表情のガキは、明らかに限界間際で。俺はしょうがねェなと呟いて、一旦下半身を離して奴のズボンを脱がし、パンツもずらしてやった。
 ぷるん、と弾けるように飛び出してきたそれは、乳首と同じく淡い色をしていて、オナニーもろくにしてねェンだろうと思われた。サイズも成長途中ながら、しっかり勃ち上がったモノはすでに先が濡れそぼっている。
 俺は肌蹴た襦袢から覗くモノを直接奴のそれに触れ合わせた。上半身も重ねて、熱を持った頬に伝う涙を舐め上げながら、「サンジ」と告げた。
「サンジ、だよ」
「……サンジ、さん」
「そ。次からはそう言って指名しろよ。三回以上通えば晴れて常連だ」
 ちらっと時計を見る。――まだ、30分と経っていない。時間はまだまだたっぷりある。
 俺は、ぼんやりとした口調で俺の名を繰り返しているガキに、とびっきりの営業スマイルをサービスしてやった。
「どーぞ、ごヒイキに♥」
「――――ッアァ……!」
 奴のモノがビクンと震え、掠れた声とともに白い液を噴き出した。

 

 

 

 

      ――――NEXT

 



途中から何書いてるか判らなく…(駄目じゃん)
つかエロが1回で終わらなかったことに自分でびっくりです(死)
男娼サンジさんはキチク入ってる感じを目指してます。
そして、ゾロたん→サンジさんの呼び方は、さん付けで。
そういや「サンジさん」と呼ぶゾロ(年下)に萌えたのも、
これ書くきっかけになったんだっけ。
エロ自体は次で終わります。長丁場にはしません。
私、エロ書くの苦手なんです〜…(爆)
'08.12.08up


 

 

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