一生秘密



 強くて男前で、やさしくて。
 血に塗れているくせに、とてもキレイな男。

 ゾロを汚した。
 私の心を、昏い愉悦が支配する。

 私の中にある熱は、彼がそれなりに快感を得ていることを知らせる。
 けれど。
 きつく目を瞑り、辛そうに唇を噛み締める表情は、まるで。


 私が、彼を犯しているようだった。

 

 

 ゾロは強い。
 だけど、だからこそ容易くもあった。
 私が彼に圧し掛かったときも、わずかに惑った眼を向けたけれど、されるがままだった。
 か弱い女の私なんて、彼が身を起こす一動作だけで跳ね除けられるのに。

「相手、してよ」
「女だって、欲求不満になるのよ?」
「アンタがダメなら、他を当たるけど」

 わざと、遊びなれた女らしく言ってやる。
 もちろん、海賊相手に泥棒なんてやってきた私だ。これまで清く生きてこられたわけじゃない。
 誰彼構わず遊ぶほど愚かではないけれど、ある程度行為に慣れてはいる。
 ゾロの毅い眼が、揺らぐ。
 私の肩を掴み押し退けようとする力は、ごく弱いものだった。

「……他?」
「ウソップには、カヤさんがいるし。ルフィは、お子様。……そうね、他って言ってもサンジ君しかいないわね」

 短く問われ、ゾロの腹に乗ったまま、消去法で残った名を挙げる。と、ゾロの身体が強張った。
 戸惑い、揺れていた眼が、強い光を放つ。

「コックはやめろ。……アイツは、お前に惚れてる。遊び相手にするな」

 

 ――――やさしいゾロ。
 普段ケンカばかりの相手にも、そんなふうに当たり前に気遣うことができるのよね。

 やさしいけど。
 アンタは、大馬鹿よ。

 

 

 予想はしてたけど、ゾロは初めてだった。
 困惑している彼の上に乗ったまま、私がすべてを導いた。
 服を脱がせて、肌を撫でて、くちづけて。
 ゾロを、飲み込む。奥深くまで。

 ゾロを汚した。
 私の心を、昏い愉悦が支配する。


 だって、手に入るはずのないものだから。
 誰よりも先に私の手で、汚してしまいたかったのよ。

 決して言わない、アンタにだけは。きっと死ぬまで、一生。

 

 

 アンタが好き。

 

 

 

 

      ――――END?

 



ナミ→ゾロです。時期は、グランドラインに入る前。
実は、サンゾロへ向かう続きもあるのですが。
来年の春コミ合わせで、サンジさん視点としてオフで発行予定。
………。
はい。すみません。活動しないとか、また嘘になりそうです(死)
でも一応、現時点では春コミと5月インテのみワンピで申し込み予定。
その後はまったく未定です!
相方を引きずり込むのは無理だしなぁ…。
サンゾロ友がいたら、オンリーにも申し込んだんだけど。
売り子いないと買い物できねェもの…!(オイ。)
'07.11.26up


 

 

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