LINGERIE OR ?



「いー加減にしなさいよッ」

 ナミは半ギレで叫んだ。
 ヒステリックな声に少し驚いて、ゾロが無意識に半歩後退る。
「明けても暮れても、鍛錬・鍛錬・鍛錬! おまけにこのサラシ! 何回傷開かせたら懲りるのよッ!?」
 着替え途中のゾロの胸元、きつく巻かれたサラシを、ナミは思い切り引っ張る。緩んだサラシの下からは、ところどころ赤茶色に染まった包帯が覗いた。
 それを見て、ナミが舌打ちする。案の定、また出血してしまっているらしい。


 ナミが一味を抜けた後、鷹の目の男との戦いで負ったという大傷。ココヤシ村で治療を受けてはいたけれど、医師の診断は『全治二年』。こんな短期間で治るわけもない。
 だというのにゾロときたら、一応は包帯を巻いてはいるものの、その上からサラシで胸を押し潰し、挙句激しい運動までして、日に何度も包帯を血塗れにしてしまうのだ。
 女、なのに。
 そう言われるのを嫌っていたナミ以上に、自分が女であることを否定し続けるゾロ。
「……るせェな。あたしがどうなろうと、あたしの勝手だろ」
 パシン、と乾いた音がして、ナミはゾロに叩き払われた手を見つめた。ふつふつと怒りがわいてくる。
「私にッ、仲間の心配をするなって言うの!? あんた、世界一の大剣豪とやらになりたいんでしょ! 意地張ったってねェ、ちゃんと傷も治さないで、そんなもんになれるとでも思ってんの!?」
 払われた手で再びゾロのサラシを掴み、力任せに引っ張る。破ることはできなかったが、緩んだところから解け、ついでに包帯まで解けて、ゾロの乳房があふれるように露わになった。
 初めて見た、ゾロの裸。それに、ナミは驚き、次いで表情を引きつらせた。
「……あんた……何よこの胸はァ!? どんだけ無理に潰してたのよ!!」
 解けた布を放り出し、今度はこぼれ出た胸を鷲掴んだ。
「痛ェなっ、放せ!」
「黙んなさい! 何っでブラくらいしないのよッ形崩れるわよ!?」
「邪魔なんだよ! あたしだって好きでこんなでかくなったんじゃねェ! 押さえても押さえても勝手にでかくなっちまったんだッ」
「…………」
 幸い、ナミは十二分に大きいけれど。
 胸が小さいことを嘆く娘に聞かれたら、こいつ殺されるわね…とナミは呆れかえったように溜息をついた。
 それにしても大きい。そして、あれだけ押し潰しているというのに形もよく、弾力もある。これを要らないだなんて、なんて贅沢者。

「……ちょ、っと……」

 戸惑ったようなゾロの声に、はっと我に返る。ナミは無意識に、掴んだゾロの胸を揉んでいたらしい。
 10センチほど上にあるゾロの顔を見上げれば、ゾロは瞳を揺らし、頬を微かに染めていた。
「あ……ごめん」
 口では謝りながらも、何だか手を放すのが惜しい気がして。
 いつまでも胸を解放せず、それどころか小刻みに揺さぶってくるナミに、ゾロはますます目を泳がせ、ためらいがちにその手をナミの手に重ねた。
「オイ……、いい加減に、っあ!」
 びくんっと身を竦めて、ゾロが悲鳴じみた声を上げる。ナミの指が、色づいた先端を掠めたのだ。
 その、過剰とも思える反応に、ナミはにんまりと笑んだ。
「やだゾロったら、女同士なのにそんなえっちな声出しちゃって――ちょっと過敏すぎない?」
 いやらしいカラダ、そうからかうような軽い口調で言いながら、ふっくらとした淡い色の乳首をわざと指先で弾く。
 ゾロは真っ赤になりながらも、ナミを睨んだ。
「おまえっ、ふざけてっとマジでぶん殴るぞ……っ」
「こーんな力の入ってない手で殴られたって平気よ。あんたが無防備すぎるのがいけないの」
「む、ぼうびって……てめェ……んッ、ちょ、も……やめっ」
 しゃべっている間にも休むことのないナミの指に胸先をつままれ、くりくりと弄られて、ゾロはそのたびにビクビクと身を震わせた。
 本当にビンカン。
 ナミは楽しくて仕方ない。特に、女性に対してそういう欲を持ったことはなかったのだけど、何故だろう、ゾロにはこんなふうに悪戯をするのが本当に楽しくて、ゾクゾクするほど気持ちよくて。
 かくん、と膝が崩れ、ゾロがとうとうその場にへたり込んだ。
「……やだ。腰抜けちゃった?」
 それに合わせて屈みこんだナミが、下からその表情を覗きこむと、潤んだ目がそれでもきつく睨みつけてきて。


「ねェゾロ。ブラ、しなさい」
「……あ……?」
「あんた、こんな大きい胸が崩れて垂れたら今以上に邪魔になるわよ? ブラにも色々あって、オシャレなのもあれば、きちんと押さえて固定してくれる機能的なのもあるの。ちゃんとしたのを使えば、サラシみたいに圧迫しなくても、今よりずっと動きやすくなるんだから」
 今よりも動きやすい、という言葉に、ゾロが考え込む。
 ブラジャーという女性特有の下着を身に着けることに、よほど抵抗があるのだろう。だが、ナミの言葉に心が揺れているようだ。
 それに、とナミはにっこり笑って続けた。

「こんなえっちなカラダ、ちゃんとガードしとかないとそのうちどこぞの誰かにレイプされちゃうわよ」
「てめェが言うな!!」

 思い切り怒鳴られて、あらじゃあ私は男ども以上にゾロにとって警戒する対象になっちゃったのね、とナミは舌を出した。
 今度、包帯を替えるとき、また悪戯しちゃおうかしら。

 

 

 

                              ――――END

 



まゆ様からリクエストいただきました。
ナミゾロで、ゾロ女体化でユリとのリクでした。
エロス希望ということだったのですが…
フタを開けたら、エロ?ス?みたいな(爆)
おっぱい揉まれて腰砕けちゃうゾロ、のエロさが伝われば…
…無理でしょうか(^^ゞ
しかし難産だった。びっくりした!
あたし、巨乳同士のエロって書いたことなかったんだった…orz
まゆ様、リクありがとうございました。
遅くなりましたが、どうぞお納めくださいませm(__)m
'10.05.30up


 

 

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